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『民事裁判のデジタル化(5)』
7月は全国的に異常な高温が続き、熱中症で搬送される方が続出しました。猛暑日続きの中で熊本では震度7の大地震が起こりました。被災者の方々に心よりお見舞い申し上げます。
さて、5月21日から民事訴訟手続のデジタル化が施行されています。訴状や控訴状等も含めてあらゆる民事裁判用の書面がオンラインを経由して提出されています。
弊事務所が現在扱っている案件では「民事裁判書類電子提出システムmints」(ミンツ)を経由して訴状や書証を送達したり受け取ったりという段階です。他の法律事務所ではミンツを経由して答弁書や準備書面のやり取りをしている事件もあるようですが、証人尋問まで到達している事件は聞いている限りまだないようです。
それでは、デジタル化後の民事裁判の証人尋問とはどういった形態になるのでしょうか。私自身まだ研修等で見聞きしただけなので、その範囲でご説明しますと、まず証人尋問には当事者、代理人及び証人が全員法廷に出席する場合と、証人はウエブ参加する場合があります。
前者の場合、当事者や代理人は紙の証拠(書証)を持参して、従前どおり書証を見たり、証人に示したり、証人に書き込ませたりすることが可能です。
また、証拠はすべてデジタル化されるので、裁判所のWEB会議システムであるTeams(チームズ)の画面共有を利用して、画面上の証拠を見たり、証人に示したり、証人に書き込ませたりすることが可能です。
さらに、当事者や代理人が持参した自前のパソコンの画面を利用して、証拠を見たり、証人に示したりすることは可能ですが、証人に書き込ませることについては、証人が証拠のどこに書き込んだのかをリアルタイムで証拠化できないため不可とのことです。
なお、当事者や代理人が自前のパソコンを法廷に持ち込む前提として、裁判所では今年2月1日から無料のWi-Fi(courts Wi-Fi)を導入しています。
ただし、裁判所内で接続できるウエブサイトが非常に限定されていて、GoogleやYahoo等の検索エンジンには繋がらないそうです。デジタル化施行降もそのままだとしますと、法廷に自前のパソコンを持ち込む際は、チームズへの接続用にアプリをインストールしておく必要があります。
後者(証人はウエブ参加)の場合、従前どおり書証を利用するなら、事前に書証を証人の所在場所まで送付しておく必要があります。しかし、書証を弾劾証拠(証人の証言や証拠の信用性を低下させる証拠)として利用するために事前送付してしまうと、弾劾証拠の存在を証人や相手方に知られてしまうので(弾劾証拠は証人や相手方の意表を突いて提出することに意味があります。)、弾劾証拠としての利用は回避せざるを得ないようです。
他方で、事前送付する必要がないチームズの画面共有や自前のパソコンの画面を利用するなら、弾劾証拠としての利用も可能とのことです。以上
(2026.08)
